日本ハムが、元G戦士の活躍で快勝した。「日本生命セ・パ交流戦」の巨人3回戦に先発した村田透投手(32)が、5回1失点と好投し、日本球界での初勝利を挙げた。07年に大学・社会人ドラフト1巡目で巨人入団も、1軍登板のないまま戦力外通告を受けていた。同じく巨人ドラフト1位の大田泰示外野手(27)は7回に右翼席へ2試合連発の8号ソロ。古巣を相手にした2人の活躍で、チームは3カードぶりに勝ち越した。

 村田の目には涙が浮かんでいた。初めてのお立ち台での第一声で「やっと来れたというか…」まで話し、言葉を詰まらせた。震える声を絞り出し、インタビューに応えた。左ポケットは、初めて受け取ったウイニングボールで膨らんでいた。「いろいろあった。長い道のりだった。想像はしてたけど、そこは勝てなかった」と、感極まる自分に我慢できなかった。ドラフト指名された日から3482日目での歓喜。栗山監督も「村田のあの言葉を聞いてると良かったなーと思う」と一緒に喜んだ。

 07年大学・社会人ドラフト1巡目で入団した巨人からもぎ取った白星だった。「結果を出してお礼がしたかった」と、感謝の思いと成長した姿を投球で見せた。5回を1失点。新人時代にあこがれた阿部との対戦も実現し、2打席とも打ち取った。巨人時代、1軍登板の機会はなく、3年で戦力外通告を受けた。「この先やっていけるのか。無職になる」と不安だった当時を振り返る。それでも野球を続ける道を探して渡米を決意。マイナーからメジャーデビューまではい上がった意地をぶつけた。