若さ、前面に出します。楽天ドラフト1位ルーキー藤平尚真投手(18)が、デビュー予定の16日阪神戦(甲子園)に向けて真っ向勝負で挑むことを宣言した。12日、Koboパーク宮城で行われた1軍投手練習に初参加した。対戦したい打者を問われると「糸井さんですね。空振りしそうな球でも、必ず当てる。自分はチームの中でもまだ若い。18歳らしく、変化球でかわす投球ではなく、力で勝負したい」と力強く言い切った。

 甲子園は特別な場所でもある。横浜高3年時の昨夏、甲子園初戦の東北戦で初回先頭から5者連続を含む13奪三振を記録し、7回途中1失点と圧倒的な存在感を見せた。2回戦の履正社戦で惜しくも敗れたが「やっぱり高校生の時って、甲子園を目指していた。何か縁を感じますね」。これ以上ない舞台で、1年前と同じフレッシュな気持ちでマウンドに上がる。

 1軍で戦える体を2軍で作り上げてきた。走り込みやスクワットを強化し、体重は入団当初から5キロ増の88キロになった。イースタン・リーグではここまで、11登板で1勝2敗、防御率は3・35をマークした。安定した投球を続けてきたことで、白羽の矢が立った。先発陣は則本がリーグトップの8勝、美馬も2位につける7勝と首位の原動力となっている。最速152キロを誇る藤平は「勝ち負けも大事ですが、若さを出していきたい」。ニューフェースとして、日本一奪還を目指すチームに新たな風を吹き込む。【栗田尚樹】