ヤクルト武内がサヨナラ打で、リーグ戦再開初戦を制した。同点の延長10回裏1死二塁で内角寄りの直球を中超えへ。ヒーローになり「お立ち台は何年ぶりか分からないですけど、やっぱりたまんない。打った瞬間、抜けてくれと思った」と興奮を隠さなかった。

 8回表の守備から途中出場で2打数2安打。今年34歳のベテランも昨季はケガに泣き、出場25試合にとどまった。チームは大松らポジションがかぶる選手を獲得。6月も4日に1度、登録を抹消された。「自分が成績を残してないから補強もある。出番がある時は一生懸命やろう」。15日の再登録後、真中監督から「ボールに入り込めていない」と打撃時に上体が反っていることを指摘された。助言を生かしたマルチだった。

 交流戦を12位で終え、再スタートにかける思いは強かった。指揮官はめったに行かないマウンドに自ら赴き、上田は守備でフェンスに激突した後に猛打賞。武内は「チームで勝った1勝。最下位からはい上がれるように、また頑張る」と力を込めた。【鎌田良美】