首位楽天が日本ハムに6-0で完勝し、2位ソフトバンクとのゲーム差を1・5で維持した。3番聖沢諒外野手(31)が初回無死二、三塁で先制中前打を放ち、口火を切った。「イメージ通りに打てた。とにかく先制点をとっていこうって、磯部打撃コーチと話していた」。日本ハム先発浦野が投じた4球目の外寄り138キロ直球をとらえ、先発岸の6勝目をアシスト。今季3度目の3番起用に応え、交流戦終了後の最初のカードで勝ち越しに導いた。

 いぶし銀の活躍だ。好調の2番ペゲーロ、4番ウィーラーに挟まれながら、自分の仕事に徹した。5回1死一塁では、ノーサインで三塁線にセーフティーバント。相手が左投げの公文だったこともあり「左対左だったので、自分の意思で決めた。いかに後ろのウィーラーにつなぐか、を考えていた」と振り返る。結果はアウトだったが、続くウィーラーと銀次が安打を放ち中押し点を奪った。自身の役割を考えてプレーできる選手がいるのが、今の楽天の強さだ。

 梨田昌孝監督(63)は、効率よく6点をたたき出した打線を褒めたたえた。初回無死一、二塁では、相手捕手清水の二塁けん制悪送球で進塁しチャンスを拡大していた。「暴投を放ってくれるとは思わなかった。聖沢にバントも考えていたけど、その後すぐに打ってくれた。打順を入れ替えて、ある程度はまった。初回にうまく3点とれたね」。相手のミスにつけ込めるからこそ、首位を快走できている。【高橋洋平】