東北福祉大(仙台6大学)が7点差から富士大(岩手・北東北)を10-9で下して大逆転勝ちし、3年ぶり7度目の優勝を果たした。コールド負け目前の0-7の7回に3点を奪って食らい付き8回に逆転。9回に追い付かれたものの、1死満塁から始まる延長タイブレークでは、11回に主将の菊名裕貴内野手(4年=仙台育英)の遊ゴロで勝ち越した。優勝した東北福祉大は秋の明治神宮大会出場につながる東北地区代表決定戦(10月21、22日)の出場が決まった。

 7点差をひっくり返しての大逆転優勝に、大塚光二監督(49)はチームの成長を感じ取っていた。「俺でも沈むよ」と素直な感想が口をつくも「4年生が中心となって声を出してくれた」とあきらめずに戦った選手たちを称賛した。7点差に広げられた直後の7回のベンチでは、主将の菊名が「1点ずつ返していこう」と声を張り上げていた。この回4安打を集めコールド負けを阻止すると、8回には6安打で5点を奪って一時逆転した。

 8回の同点左中間二塁打を含む4安打3打点でMVPを獲得した4番楠本泰史外野手(4年=花咲徳栄)は「負けられない執念があった」と胸を張った。6月の大学選手権ではまさかの初戦敗退。その後のミーティングで「秋までの公式戦、練習試合でどの相手にも負けない」が合言葉になった。明治神宮日本一を目標に掲げる菊名は「東北のチームに負けてられない。秋につながる」と前を向いた。【高橋洋平】