すでにファン投票で選出された菊池が「新井さんが絶対MVPに選ばれるようにアシストしたい」と明言した目標に追随した形だ。丸は5年連続5度目、田中は2年ぶり2度目の出場となる。12球団の一流選手が集う球宴は特別な場所。丸も「シーズン中と違って、素直に野球を楽しめるのがオールスターの魅力」と認める。それでも「新井さんの前で走者をためて、新井さんにかえしてもらう。そこだけ」と言い切った。

 鈴木も含め、強力広島打線の上位を務める4人の援護射撃は頼もしい限り。4選手ともに出塁率3割を超え、計34盗塁とチャンスメーク能力にたける。新井本人は「まず無理だと思う」と苦笑いしていたが、13年MVPのほか、優秀選手賞と敢闘賞を計3度受賞するお祭り男。「無理だと思うけど、本塁打を打てればいい」と色気を出していた。

 昨年は第2戦で鈴木が敢闘選手賞を受賞するなど広島勢の活躍が、後半戦の勢い加速につながった。今年も球宴で広島旋風を巻き起こしたい。まずは今日から球宴まで最後の9連戦が始まる。貯金21で首位を快走するチームの雰囲気は最高潮にある。その中心には、頼れる兄貴“新井さん”がいる。【前原淳】