盤石ターンじゃ!! 広島クリス・ジョンソン投手(32)が8回1失点で、前半戦最後の試合を白星で飾った。DeNA打線を力と技でねじ伏せる好投で、後半戦へ弾みをつけた。打線も先制、ダメ押しと効果的な得点でエースを援護。貯金を最多タイの23に戻した。エースの完全復活で、カープは後半戦も快走じゃ!!

 後半戦に欠かせぬピースが前半戦最後に快投を演じた。ジョンソンが、8回1失点で白星ターンを決めた。立ち上がりから直球にカットボール、右打者にはチェンジアップもさえた。7安打を除けば、外野に飛ばされた打球は6回、宮崎の右飛のみ。力で強力DeNA打線をねじ伏せ、完全復活を印象付けた。

 「本当はもうちょっと早くこういう投球ができれば良かったが、これが1つのターニングポイントになる。この感覚を忘れないようにしたい。さらに上へ、上へと行けるようにしたい」

 ようやく心から笑えた。開幕戦登板後に咽頭炎を患い、体調不良も重なり回復が遅れた。6月復帰するも、体重減やブランクの影響はあった。体重移動の際に反動を使った投球となり、持ち味の間合いがなくなった。リリースポイントもばらついた。プレートの位置を三塁側から一塁側へと試すこともあれば、登板映像を見返す頻度も増えた。昨季沢村賞左腕が、もがいた末、本来の姿を取り戻した。

 帰ってきたエースの投球に、前半戦チームを引っ張った打線が応えた。3回に丸の中前適時打で先制。相手のミスにつけ込み、追加点を奪った。「先に点を取れれば僕らの展開に持っていけるとあらためて感じた」と丸。試合の主導権を握ると、1点差に迫られても終盤に突き放した。2死満塁から途中出場の岩本が左中間を割る走者一掃の3点二塁打。途中出場の選手が活躍するのもまた、前半戦で見せた広島の姿だった。

 投打がかみ合った快勝で前半戦を締めくくった緒方監督は「ジョンソンは今年一番(の投球)。今日もまたチーム全員でいい試合ができた。また後半戦頑張ります」と胸を張った。エースが全快。好調な打線も健在。広島が盤石ターンで、連覇へ向けたVロードを突き進む。【前原淳】

 ▼2年連続首位ターンの広島は、昨年が2位巨人に10ゲーム差で、今年は2位阪神に8ゲーム差。2位に8ゲーム差以上つけた前半戦首位はセ・リーグで13度、パ・リーグ(2期制は除く)でも13度あるが、2年連続で8ゲーム差以上の首位ターンは今回の広島が初めて。