ソフトバンクの達川光男ヘッドコーチ(62)が15日、リーグ戦逆転Vへの秘策を明かした。その名も「負け数で並べ作戦」。首位に1・5差の2位につけるホークスは現在83試合を終えて53勝30敗。8試合消化が少ない楽天は50勝24敗1分けで、負け数で6つ上回っている。鷹の参謀はこの数字をポイントに挙げた。

 「負け数でとにかく並ぶことよ。そうすれば、向こうは残り試合全部勝たないといけなくなる。楽天は後半戦が過密日程になるから、そこにつけ込みたい」

 達川ヘッドが注目するのは後半戦の日程。楽天は10月5日までぎっしり試合が詰まっているが、ソフトバンクは9連戦と6連戦が2回だけ。空調のきいたドーム球場と、猛暑の中での戦いを強いられ、雨天中止もある屋外球場の環境の違いも計算済みだ。全日程終了はホークスが先になる可能性が高いだけに、負け数で並び、相手にプレッシャーをかける作戦だ。

 「8月以降、向こうは絶対に疲労がくる。そこまでじっと我慢してとにかくこれ以上離されないようにすることよ。工藤監督が一貫して言うように、各カードで勝ち越していけば、必ずチャンスは来る」

 現役時代の5度の優勝はすべて逆転Vだったという達川ヘッド。現役時代の豊富な経験もふまえ、後半戦もベンチからチームを支えていく。【福岡吉央】