やっぱり超人!? 右脇腹筋挫傷で離脱した阪神糸井嘉男外野手(35)が、8月上旬にも1軍復帰する可能性が20日、浮上した。長期離脱も考えられたが、金本知憲監督(49)が最短2週間の復帰目安を明言。この日、2軍施設がある兵庫・西宮市内でリハビリを開始した糸井も、早期復帰に前向きな思いを明かした。首位広島に9差離され、3位DeNAも0・5差に迫る窮地で、一筋の朗報だ。

 鳴尾浜の太陽に照らされた糸井が激白した。アクシデントが起こったのは後半戦開幕の17日、甲子園での広島戦。5回の打席で空振りした際に右脇腹の筋挫傷を負った。それから3日が経過。患部の状態は? そんな質問にニヤリ。「痛いに決まってるやろ!」。関西人らしくツッコミを入れた。

 気になるのは、復帰時期だ。片岡打撃コーチは糸井が登録を抹消された18日に「終盤の大事なところで戻ってきてほしい」と、9月復帰も覚悟していた。この日は下半身のストレッチとバイクをこいだだけで、ほぼ治療に専念。1軍の舞台に帰ってくるまで、どれほど時間を要するのか…。

 「終盤? 10日後でしょ!」

 登録が可能となる最短10日間での復帰を宣言。さすがに今月28日の電撃復帰は厳しいかもしれないが、早期復帰への意欲は十分だ。この日、金本監督は「早くても」と前置きしながら、「2週間ぐらい、と思っている」と見通しを語った。1カ月以上の長期離脱が必至とみられていたが、普段慎重な指揮官から飛び出した“最短2週間”の目安。さすがは超人、すべてが順調に進めば、8月上旬の復帰もある。勝負の夏。糸井不在を避けられる期待が高まる。

 「やっぱり、監督に一番申し訳ないっていうのが、あります。(自分自身が)巻き返したいと思っていた時なんで悔しいですね」

 糸井が口にしたのは指揮官へのざんげだった。前半戦を終えて打率2割6分8厘、8本塁打、42打点。この数字に納得などしていない。

 この期間を有効に活用するか。そう問われると「それしかないんで」と、うなずいた。3時間の鳴尾浜滞在を終えると、車に乗り込んだ。この日も回復を促す高圧酸素治療を受けた。「監督を胴上げするために、1つでもチームに貢献したい」。そう言って袖を通したタテジマだ。一刻も早く戦列に戻る。そして窮地のチームを救う。FA戦士が真夏の誓いを立てた。【桝井聡】