オリックス福良淳一監督(57)が20日、Koboパーク宮城でT-岡田外野手(29)に祈りの79球を投じた。規定打席到達後では5月5日の日本ハム戦(京セラドーム大阪)時点で3割7分5厘の高打率を残した和製大砲も、現在は2割8分7厘と降下。本塁打も7月5日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)の18号から、8試合出ていない。きょう21日からの首位・楽天との3連戦(Koboパーク宮城)を前に、福良監督自らT-岡田の居残り特打の打撃投手を買って出た。

 福良監督は気合十分。以前から「打率が下がってきたらオレが打撃投手をやってやる」と約束。T-岡田は「2割7分を切ったらお願いします」と答えていたが、監督はここが潮時と見た。練習出発前の宿舎エレベーターで「きょう、やるよ」と登板を伝えた。

 2度の「うまいっ!!」の絶叫をはさんで79球。高橋打撃コーチが「すごいよ。全球ストライクなんだから」と絶賛する制球力で、気持ちよく打たせた。「軽くて打ちやすい球でした。明日から頑張ります」と選手会長の自信を引き出し「きょう(20日)のTはよかったね」と手応え。オニでもホトケでもなく「投げる福良」で復調を促し、上位浮上へ逆襲をかける。【堀まどか】