ソフトバンク中村晃が楽天岸を攻略した。4回1死二、三塁、初球145キロ外角低め直球を強いゴロで中前へはじき返した。「チャンスだったので積極的に打ちにいきました。巨(東浜)もいい投球をしていたので」。2戦連続の適時打が結果的に決勝打。工藤監督も「晃君の適時打が一番大きかった」とほめた。

 8回にも三塁内野安打を放ち、今季24度目のマルチ安打。今季打率は2割7分6厘だが、7月の月間打率は3割2厘と状態が上向きだ。「今は結果が出ている。速い球、甘い直球を一発で仕留められている」。ようやく思い通りにバットコントロールができてきた。

 20日に工藤監督は、熊本地震で被害が大きかった熊本・御船町の高木小を訪問した。「ホークスで強い選手は誰」という児童からの質問に「体が強いと思うのは中村晃君。ほぼ休まないで全試合出る」と答えたほど。ここまで全91試合出続けているのは、中村晃と松田の2人だけだ。

 今季でレギュラー5年目。右翼、左翼、一塁とその時の状況に合わせて黙々と試合に出続ける。内川が長期離脱し苦しい打線の中、調子を上げてきた打撃職人が首位取りへ引っ張っていく。【石橋隆雄】