DeNAのルーキーハンターが仕留めた。戸柱恭孝捕手(27)が2回に2戦連発となる先制8号2ランで、初登板初先発のヤクルト高卒ルーキー梅野雄吾投手(18)を早々に引きずり降ろした。先発した新人からの本塁打は今季3人目で、打率は5割を誇る。守備では先発ウィーランドを好リードして6回1失点で6勝目へと導いた。チームの連敗を3で止め、区切りの100試合目で50勝を飾った。

 ルーキーを自滅へと追い込む先制2ランだった。2回1死一塁。戸柱が2ボールでバッティングカウントになると、打ち気に出た。「いい真っすぐを投げていた。振りまけないことを意識した」。高卒1年目でプロ初登板初先発の梅野が投じた138キロのカットボールを、右翼スタンドへ運んだ。2戦連発となる先制2ラン。150キロ近い直球で勝負を挑む18歳をねじ伏せ、3回に引きずり降ろした。

 2年目にしてDeNAの扇の要を守る正捕手が、早々に若葉マークの勢いを殺した。バットでは、今季ルーキーに強さを発揮してきた実績があった。新人投手からは阪神小野、オリックス黒木に続く3発目。先発投手に限れば、ここまで14打数7安打と打率5割を誇る。新人との対戦には「ルーキーの一番いい、自信を持っているボールを打つことで(相手が)動揺する」と言い切り、まるでベテランのような風格すら漂わせる。

 6月まで3カ月連続で2桁打点をたたきだしていたが、7月は2打点で失速。捕手らしく、相手捕手になりきって配球を読んできたが、さらに研究を重ねられた。「今までと違った攻め方もしてくる。だから中軸に話を聞いた」。筒香、ロペス、梶谷らから打席での心構えを自ら聞きにいき、答えを導き出した。「大事なところでの1本。印象に残る1本を意識するように割り切れた」。貴重な1発とともに攻守両面でチームをけん引する。

 1回には四球で出た山崎を盗塁死。「盗塁で刺せれば、投手も助かるし乗っていける」と、先発ウィーランドを後押し。制球難に苦しむ助っ人をカーブの多投で、いつもの球威を取り戻せる特徴もつかんだ。チームにとって連敗を3に止め、節目の100試合目で50勝目を飾った。「ここまできたら落としていい試合はない」と引き締めた。【栗田成芳】