やっぱり天敵だ。ハマのドラ1左腕が、猛虎にとって意識せずにはいられない存在になった。DeNA浜口に6回5安打1失点と封じ込められ、今季3度の対戦で3戦全敗。対戦防御率0・93と攻略の糸口がつかめない。左肩痛からの復帰登板で今季7勝目をプレゼントした。金本監督は「やっぱり、まず真っすぐをね。速いストレートを一発で捉えないと」と、悔しがった。

 序盤は悪くなかった。2回には先頭の中谷が四球を選び、鳥谷が内角チェンジアップをライトへ引っ張って一、三塁。続く大和の中犠飛で先制点をもぎ取った。ところが、2回、4回と投手陣が打ち込まれて大量点を献上するとルーキー左腕の投球が安定。150キロ近いキレのある直球と落差のあるチェンジアップをズバズバと投げ込まれた。

 頼りのパンダも目を丸くした。7月から加入したロジャースにとっては初対戦だったが、3打数無安打、2三振。初回は直球、チェンジアップ、フォークのコンビネーションに3球三振。5回の3打席目もチェンジアップにバットが回り、空振り三振を喫した。「よく抜けるいいチェンジアップだった」と驚いた。

 片岡打撃コーチは「いつもそう。あそこ(2回)でもう1点。力のある真っすぐとチェンジアップがいいところに決まりだすと難しい」と、一気にたたみ掛けることができなかった序盤に目を向けた。天敵攻略は大きな課題。早急に解決しないと、現在の順位も揺らいでしまう。【桝井聡】