オリックス金子千尋投手(33)が7回4失点で7敗目を喫した。

 1回はテンポよく10球で3者凡退。ところが2回に先頭の柳田を四球で歩かせた。カウント2-2からの勝負球はいずれもきわどいボールだった。「(ストライクを)取って欲しかった。判定を言っても仕方ないけど…。四球を出した後はストライクを集めがちになってしまう」。

 そんな動揺がリズムを狂わせた。その後は1死一、二塁となり、明石には簡単に2ストライク。ところが決めきれず、7球目は先制の2点三塁打となった。投げ込んだカットボールは内角の厳しいコースだったが打球は右中間を突破。右腕の顔がゆがんだ。「どう打ち取りにいくか明確な意思がなかった。2ストライクに追い込んだことによって、慎重になりすぎた」。

 さらに2死から痛い3点目。4回はデスパイネに右越えソロを追加された。金子の被本塁打は今季16本を数える。初対戦からオリックスが1度も勝っていないバンデンハークを相手に、前半で4点を追いかける展開となってしまった。結局、今季最多133球で7回まで投げたが、前半の失点がチームには重すぎた。

 福良監督は「悪くはなかった」と金子を評したが、本人は最後まで反省しきり。「抑える回と点を取られる回の差がありすぎた。いい時の抑え方をもっと増やして、続けられるようにしなければいけない」。1週前の前回登板も大量援護をもらいながら、5回5失点とフラフラの状態で白星にたどり着いた。そして今回はチームの連敗を止められず。3年ぶり2桁勝利は目前だが、本来の投球とかけ離れた内容が続いている。【大池和幸】