阪神福留の「不敗神話」がストップした。今季、ここまで福留が本塁打を打った試合は12戦全勝だったが、この日の13号3ランは今季初の「空砲」に終わった。

 5回2死一、二塁。4回に失策などもあり広島に打者一巡の猛攻を受け6失点。9点を追う展開でも、ベテランは決してあきらめなかった。広島野村の2球目のスライダーを捉えた。打球は右中間スタンドへ飛び込む3ラン。3点を先制された1回には、四球で出塁すると、中谷の左中間への二塁打で一塁から全速力でホームへ。きわどいタイミングだったが、捕手会沢のミットをかいくぐってホームベースをタッチした。試合後は、悔しさを押し殺すかのように無言で車に乗り込んだ。だが、片岡打撃コーチは「さすが。あきらめないところを見せてくれた」と絶賛した。その姿勢が、ぎらつく目が、ファンを熱くさせる。