新潟県野球協議会が18日、新潟市役所の篠田昭市長(69)を訪問し、新しい新潟市営野球場建設に関する提案・要望書を提出した。「パーク・ボールゲーム・パークプロジェクト」と題したA4判の用紙16枚に及ぶ提案・要望書で、高橋勇四郎理事長(75=県硬式野球連盟会長)が同市長に直接手渡した。

 提案・要望書では、老朽化した鳥屋野と小針の両市営球場を取り壊して新球場の建設と、新設候補地の提案をしている。新球場の建設地候補には、ハードオフ新潟に隣接する約50ヘクタールの鳥屋野潟南部地域を提示。同所なら周辺への影響が小さく、駐車スペースも大きく取れる、としている。新球場の名称は「ボールパーク鳥屋野(仮称)」と提案した。鳥屋野、小針の両球場は老朽化だけでなく騒音、駐車場、交通渋滞など、周辺の住民からクレームが出ていた。

 篠田市長は具体的な提案を歓迎した。「要望はありがたいこと。市民に喜んでいただける、また県と市が力を合わせるのにふさわしい計画に仕上げていくのが重要」と話した。建て替え候補地で提案された鳥屋野潟南部エリアは、住居ゾーンに指定されているものの、人口減少などの問題を抱えている現状もあり、ゾーン変更へのハードルは低そうだ。篠田市長は「県、市、亀田郷土地改良区の3者で話し合うテーブルをつくり、ベクトルをそろえたい」と言った。

 また新設が実現した場合は、鳥屋野運動公園にある各施設の移転も視野に入れている。サッカーなどが利用する球技場、馬術場、交通公園を同時に移し、一大スポーツタウンにする構想だ。野球界のレベルを超えた提案だが、球技場をメインに使用するラグビー協会、馬術連盟からは消極的ながら賛同を得ている。

 県野球協議会は以前からプロ野球球団の招致、韓国・中国・台湾などとの環日本海リーグ構想を練ってきた。しかし、その前に急務なのが、新潟市営球場の新設。同協議会の中野久事務局長(72)は「篠田市長の前向きな回答は、ありがたかった」と強い手応えを喜んだ。【涌井幹雄】