一方でチームを逆転勝利に導いた事実は揺るがない。最大のヤマ場は1点リードの6回だった。安打と2四球で1死満塁のピンチを迎えた。4番ロペスに対し「誠司と『思い切って内を突っ込もう』と話した」と女房役とイメージを共有した。初球は内角を厳しく攻めて、1ボールからの2球目、ワンシームを引っかけさせて三ゴロ併殺に斬り捨てた。勝負どころでの攻防を「修さん(村田)の好プレーに助けられた。(攻め方は)計算通りです」とうなずいた。

 この日を含め、7試合連続で1失点以内と抜群の安定感を貫く。早くも新人時代の13年に並ぶ自己最多の13勝に到達。チームも3位DeNAに3ゲーム差まで迫り「負けていい試合は1試合もない。その先頭に立っていけるように頑張っていきたい」と、さらなる加速を誓った。エースが鋭い眼光で上位をにらみつけた。【為田聡史】