さあ、ラストスパートや! 阪神金本知憲監督(49)が21日、大逆転Vへ大号令を出した。34試合を残し、首位広島とは8・5ゲーム差。「ここからエンジンをかけていきますよ」と宣言し、今後は40歳福留や救援陣を強行起用していく可能性を示唆した。長期ロード最終週は今日22日ヤクルト戦からスタート。4連勝中の虎が、奇跡を信じてリミッターを解除する。

 現状が厳しいのは百も承知の上だ。首位広島に8・5ゲーム差をつけられ、貯金12の2位。一方のカープは貯金が29もある。仮に阪神が貯金30を目指すなら、26勝8敗以上の快進撃が必要になる。そんな計算式を、指揮官は「ハッハッハ!」と笑い飛ばした。そして、ロングスパートを宣言した。

 金本監督 相手どうこうというより目先、目先でいいんじゃない? リリーフ陣も、もってくれているし、ここからエンジンをかけていきますよ。

 代えの利かない主軸、福留は40歳。首脳陣は最大限にパフォーマンスを発揮し続けてもらうため、夏場に入ると週2回程度の休養日を設けた。とはいえ、残り試合も少なくなり、悠長なことは言っていられない。

 金本監督 (無理使いも)状況によっては出てくると思う。チームの姿勢としてもそういうところを見せていかないといけないと思うしね。当然、リリーフ陣も分かってくれていると思う。

 前日20日中日戦では守護神ドリスのイニングまたぎを今季初解禁し、4連勝をもぎ取っている。そういう時期が来た、ということだ。福留やドリスだけではない。左アキレスけん断裂から1軍復帰して1カ月が過ぎた西岡も、フル回転が続く桑原も、頼れる男たちには負荷をかけていくことになりそうだ。

 金本監督 孝介が復活してきてくれた。糸井も帰ってきて、トリも調子を上げてきている。

 主力3人が完全にそろい踏みしたことで、チームの土台は安定した。延長11回の激戦を制した前日20日の中日戦後には「底力というか、着実にチーム力が上がってきていると思う」と手応えもにじませた。勢いに乗る今こそ、リミッターを解除するタイミングなのかもしれない。長期ロード最終ウイーク。今日22日からはまず敵地神宮でヤクルトと戦う。シーズン終盤に強いチームを目指してきた金本阪神2年目。我慢を続ける期間は終わった。さあ、駆け足の準備だ。【佐井陽介】