オリックス金田が、移籍後初勝利を挙げた。昨オフに阪神にFA移籍した糸井の人的補償で加入した右腕。先発西が左手を骨折し、2回からのスクランブル登板だった。同学年の負傷降板に奮い立った。

 「そういう時に仕事をするのが僕ら中継ぎ。試合を落ち着かせたい思いがあった。出来すぎだが、いい入りができた。(白星に)結果としてオリックスの一員になれた気がします」。最速152キロの直球で押し込み、フォークもよく落ちた。いきなり3者三振のスタート。その裏の味方の逆転を招いた。

 3回は2死二塁から中田に死球。それでもひるまずにレアードから空振り三振を奪った。「細かいコントロールはないが、気持ちだけはと思った」。足をつりながらも2年ぶり50球以上となる58球で3回無失点。小林にバトンを託した。

 糸井がシーズン序盤に阪神で活躍した。それでも金田は自らの仕事に集中。「糸井さんのことは気にせず、オリックスに貢献することだけを考えている」。福良監督も「よく投げてくれた。球に力があった」とたたえた。西の離脱は痛手だが、ひとまずブルペン陣の踏ん張りで3連勝とした。【大池和幸】

 ◆金田和之(かねだ・かずゆき)1990年(平2)9月18日、鹿児島県生まれ。都城商-大院大を経て、12年ドラフト5位で阪神入り。2年目の14年に1軍初登板を果たし、40試合に登板。阪神で通算7勝。16年オフに阪神へFA移籍した糸井の人的補償選手として、オリックスへ移籍した。184センチ、86キロ。右投げ右打ち。