日本ハム大谷が、決勝打を放った。同点とした直後の7回2死一、三塁。初球の真ん中高め146キロ直球を空振りした。捕手・伊藤は2球目も同じコースに同じ球種を要求。「クイックに差されないように。ただ、それだけ」と、大谷は大振りを封印。二の舞いはせず、コンパクトなスイングで中前適時打を決めた。

 8月は16試合に出場して60打数24安打で打率4割をマーク。「特に好調とは思っていないけど、毎試合毎試合よくなるようにやっている」と、現状に満足することはないが、打者部門の月間MVPの有力候補に位置する。投手で2度受賞しており、投打で受賞となればプロ野球史上初めて。16日ロッテ戦、18日西武戦に続いて、1週間で今季3度目の勝利打点。快挙も現実味を帯びてきた。

 試合前には、ほっともっと神戸の屋外ブルペンで、メジャー球団のスカウトたちの前で、変化球を交えて31球を投げた。大谷は「良くなっていると思います」と、手応えを明かした。早ければ31日ソフトバンク戦での先発登板の可能性もある。リーグ連覇の可能性は消えたが、二刀流の本格再開を多くの人が待っている。【木下大輔】