ソフトバンク柳田悠岐外野手(28)が、豪快にかち上げた。日本ハムのレアードに並ぶ29号の先制2ラン。優勝へのラストスパートを加速させた。「本塁打はうれしい。今日の練習で全然ダメで『やばいな』と思っていた。アドバイスしてくれた立花(打撃)コーチのおかげ。上体ではなく、しっかり足が使えた」と喜んだ。

 この日の試合前。ベンチ裏で黙々とバットを振る姿があった。「このままやったら打てへんやろなと思う時にだけ行く」というミラールーム。試合前の打撃練習では絶不調だったが、立花打撃コーチから軸足にタメがないことを指摘され、ミラールームにこもって修正の素振りを重ねた。「大学時代に意識してやっていた」というスイングで、1打席目に結果を出した。

 ひたむきにプレーする高校球児に熱視線を注いでいた。今夏の甲子園で、2年生ながら勝負強い打撃でチームを引っ張った明豊・浜田太貴外野手を「リスペクト選手」と呼び、大会新となる6本塁打を放った広陵・中村奨成捕手(3年)には「あいつは運がある。俺もほしい」と羨望(せんぼう)のまなざしを送るなど刺激を受け、力にした。

 8月は打率2割1分9厘と苦しんでいるが、それでも5本目となる本塁打。工藤監督も「柳田くんの本塁打が効果的だった」と、声を弾ませた。これで今季、楽天以外の4球団から勝ち越し。2位楽天とのゲーム差も最大の7・5差となり独走態勢に入った。貯金は今季最多の39。最短で27日にも優勝マジック19が点灯する。【福岡吉央】

 ▼ソフトバンクの最短M点灯は27日。ソフトバンクが24日西武戦、25~27日ロッテ戦に連勝し、楽天が24日ロッテ戦、25~27日の日本ハム戦に連敗で、M19が点灯する。現日程での最短Vは9月9日。