中日白井文吾オーナー(89)が、新スターの出現に悲鳴を上げた。23日、大島の通算1000試合出場の表彰に参加するため、ナゴヤドームを訪問。甲子園で1大会6本塁打の新記録を樹立し、今秋ドラフトの目玉に急浮上した広陵・中村について「いいね、あの子も。目移りするよ」とニンマリだ。この日の決勝では5打数3安打で、大会最多タイの19安打をマーク。準Vに終わったが、さまざまな記録を打ちたてた逸材にメロメロだった。

 甲子園を視察していたスカウト陣もほれ込んでいる。中田スカウト部長は「スケールの大きい捕手。将来、正捕手になれる素材。ものが違う。地肩がべらぼうに良い。大学生も含めてNO・1捕手。とびきり目立つ」と大絶賛していた。この夏、注目を独り占めした中村の活躍に、松永編成部部長は「これ以上、目立たなくていいのに…」と嘆いたほどだ。

 オーナーは以前、早実・清宮を「(動員が)変わります。あの人はお客さんを持っとる」と評し、獲得を望んでいた。この日チームは連敗を6で止めたが、巨人戦にもかかわらず客席に空席が目立った。人気回復にはスターの存在が不可欠。ドラフト会議まであと2カ月。誰を狙うのか-。注目が高まる。【宮崎えり子】