中日福田の鮮やかな弾道を見て、かろうじてマツダスタジアムの竜党は留飲を下げた。2回に田中の満塁弾で0-4。盛り上がるカープファンを静かにさせたのは4回だった。無死一塁でカウント3-0。直球1本に張った福田は149キロにどんぴしゃり。左中間最深部の中段に、12号2ランを突き刺した。

 今季初の4番起用だった。「それはあまり関係ない。いつも通りでした。当たりは完璧でした。結果はたまたまです」。8月に入って7本目。ビシエドが右腕骨折で抜けて以来、チームは1勝8敗と急降下しているが、得点力不足の打線で奮闘している。

 借金が最多更新の17になり、チームの目標がぼやけてきた。未来を見据えた戦いの中で「4番・福田」の一振りに夢を見ようとした人は多いはずだ。

 対戦5試合を残して広島戦の2年連続負け越しが決まった。同スタジアムでは昨年に続く10敗目。今日27日の最終戦にも敗れれば1勝11敗。同一のビジター球場で2桁の負け越しとなれば、旧広島市民球場で広島に0勝10敗2分けだった80年以来、37年ぶりの屈辱だ。

 森監督は試合を振り返ることなくバスに乗り込んだ。土井打撃コーチも「ノーコメント」と力なかった。「鬼門」での最終戦でナインは意地を見せられるか。【柏原誠】