完投リベンジでマジック減らしじゃ~! 広島野村祐輔投手(28)が29日巨人戦(東京ドーム)に向けてマツダスタジアムで最終調整を行った。前回登板の22日DeNA戦(横浜)では今季初完投を目指して9回のマウンドに上がるも、筒香に2ランを浴びて降板。チームもサヨナラ負けを喫した。今季相性のいい巨人だけに、やり返しを誓った。

 登板前日のルーティンをこなした野村は、汗をぬぐって取材に応じた。日差しも、猛暑のそれからは緩やかになった。優勝へ向けたマジックは19に減り、カウントダウンが始まりそうな気配もある。東京ドーム、神宮と続く勝負の1週間。初戦を任された野村は、かみしめるように言葉をつむいだ。

 「ひとつひとつの積み重ね。自分の登板は限られているし、その1回を大事にしたい。自分の投球をしてしっかり抑えたい」

 胸の奥には悔しさがある。前回登板の22日DeNA戦は7回まで3安打1失点。球数も84球で料理した。8回にソロを浴びて失点したが、今季初完投を目指し9回も続投。しかし先頭の柴田に右前打を許し、筒香に2ランを浴びた。1死も奪えずマウンドを今村に譲り、チームもサヨナラ負けを喫した。そこからチームは3連戦3戦連続サヨナラ負け。「横浜の悪夢」へとつながった。

 1週間がたち気持ちは切り替えているが「最後のイニングを任せてもらえてうれしかった。そこで打たれて悔しい気持ち」と忘れることはない。「自分の力のなさを感じた。練習しかない。次の登板で返すしかない」と今日29日の巨人戦登板へと静かに燃えている。目指すは9勝目とチームを勝利に導く投球だ。

 今季の巨人戦は4試合で1勝2敗も、防御率は1・73と好相性を誇る。だが自身には「そういうイメージはないですね。1回、1回を新しい気持ちでやっている」と目を向けない。個人的なリベンジもあるが、チームにとっても週の頭だけに長いイニングを投げてもらいたいところ。畝投手コーチも「ドームだし環境はいい。いけるところまでいってもらう」と背中を押す。野村がエース格の意地をぶつける。【池本泰尚】