阪神ドリスが剛腕でツバメ軍団をひとひねりだ。3点リードの9回に登板。甲子園がどよめいたのは1死後、山崎への4球目だ。ズバッと内角に突いた速球は「161」の球速表示。16年藤浪が記録した160キロを更新する、球団最速だ。

 14年球宴で日本ハム大谷が計測した甲子園での162キロに迫る球だった。余裕の表情で「日本では初めてだね!」と笑う。自己最速の102マイル(約164キロ)には及ばないが、まさに無敵の剛速球だ。山崎を落差の激しい変化球で空を切らせるなど3者凡退。上位打線を簡単に片づけ、リーグトップの32セーブ目だ。

 ドリスは言う。「自分の仕事を保ちながら、最後までできればいい。練習、試合ともに、いい状態でやりたいな」。夏前は不安定な時期もあったが、猛暑の8月は耐える。1週間前は体調不良で投げられなかったが回復。月間12戦で2勝7セーブを重ねる。広島を追うなかで、欠かせない存在だ。