巨人が「松本の奇跡」を起こし、劇的なサヨナラ勝ちを収めた。中盤までリードの展開も7回に西村が5失点で試合をひっくり返された。3点ビハインドで9回に守護神田島と相対し、万事休すかと思われた。

 だが26年ぶり巨人戦開催の松本の夜に奇跡が起きた。2死二塁で長野が適時打。さらに宇佐見が地面すれすれのボールを、ゴルフのようなスイングですくい上げ、同点3ランが右翼席に飛び込んだ。「前の打席で悔しい思いをしていたので、打って(次の打者に)つなぎたいと思っていました」と振り返った。

 ミラクルは続く。延長11回1死二、三塁で打者寺内。福谷の前に2球で追い込まれたがファウルで粘り、7球目の内角直球を振り切り、プロ初のサヨナラ本塁打は今季1号3ランとなった。

 高橋監督が「(寺内の)人生で1番かは分からないが、僕が知る中では1番の当たり」と脱帽する1発。3位DeNAとの1・5ゲーム差を維持させた寺内は「まさか、です。本当に1番の当たりだった。みんなが最終回につないでくれたから」と一丸を強調した。

 91年のヤクルト戦では5-16の惨敗を喫したが、四半世紀を超えて挑んだ一戦はドラマチックな結末だった。