阪神鳥谷が13試合ぶりのマルチ安打を記録し、通算2000安打まで残り4本とした。2点を追う2回、4番大山と5番中谷の連打で作った無死一、二塁の場面。右腕野村の5球目、135キロチェンジアップを右前にはじき返した。好機を無死満塁に拡大し、この回の同点劇を呼び込んだ。5回にも野村から中前打を放ち、いよいよ大台到達の瞬間が間近に迫ってきた。

 ただ、チームはシーソーゲームを制することができず逆転サヨナラ負け。気持ちを切り替えるしかない-。そんな問いかけに、鳥谷は「はい」とだけ答えた。打率は再び3割台。偉業達成へ周囲からの注目は増すばかりだが、今日6日広島戦も勝利を追求するだけだ。

 ◆史上4位 連続フルイニング出場667試合はプロ野球4位だ。12年開幕戦、3月30日DeNA戦の初回がスタート。その後、1度も途中交代することなく、4年以上グラウンドに立ち続けた。だが攻守にわたる不振から、16年7月24日の広島戦でスタメン落ちし、記録はストップ。だが、激務の遊撃手としては、堂々のプロ野球最長である。

 ◆05年 鳥谷が初めてセ・リーグ優勝を経験したのが2年目のこの年。主に2番を打ち、1番赤星との名コンビを形成した。遊撃の定位置を完全に奪い取り、初めてシーズン全146試合に出場。今季も13年連続13度目の全試合出場に向けて奮闘中だが、その起点になった年だった。