ソフトバンクが工藤政権3年目で初の9連勝を飾り、優勝マジックを「5」に減らした。ヒーローは4打点をたたき出した今宮だ。本多の適時打でようやく1点を先制した7回、なおも2死一、二塁で今宮が中越えの2点適時三塁打。9回にはバックスクリーン左へ13号ダメ押し2ランをたたき込んだ。

 「この3連戦、いいところがなかったので打てて良かった。(自己最多の13本塁打は)しっかりスイングできているのがいい。軸で回れているときはしっかり打球が飛んでいる」と今宮は笑った。この日の4打点を生んだのは、巨人坂本モデルの、白と黒の配色のバットだった。不調だと思った時に気分転換で使う。「坂本さんタイプの方が重たい感じですかね」と話す幸運のバットは在庫が今使っている1本しかなく、メーカーに注文中。8日は同じく気分転換で坂本モデルを使った松田が本塁打を放つなどラッキーアイテムだ。

 9連勝は14年以来3年ぶり。工藤政権では6度目の挑戦でようやく「8」の壁を越えた。この日も先制は7回と遅かったが、先制すれば26連勝で71勝8敗。ロッテ二木に苦しめられたが、今宮は初回に11球粘って四球を選ぶしぶとさを発揮。終盤に疲れさせた。

 最短Vは14日オリックス戦。本拠地ヤフオクドームだ。ソフトバンクになって過去4度リーグ優勝し、14、15年と近年は連続で本拠地Vを飾っている。工藤監督は「(9連勝は)頼もしい。たいしたもの」と、勢いを止めないナインを褒めた。貯金も今季最多の47。ゴールはもう目の前まで迫ってきている。【石橋隆雄】