日本ハム石川直也投手(21)が課題と収穫を手に、1軍を後にした。10日西武戦(メットライフドーム)に先発し、5回7失点で降板。打線の奮起で黒星は付かなかったが、試合を作れなかった。「2ストライクと追い込んでから、カウントを悪くして、打たれるのがあった。勝負球の精度が課題です」。メットライフドーム名物の長い階段をゆっくりと上りながら、落ち着いた口調で振り返った。

 立ち上がりから、苦しんだ。初回は秋山に同点打を浴び、2死二塁で迎えた浅村は4球で追い込んだ。カウント2-2から決め球のフォークを連投したがボール、ファウル。最後はフルカウントから直球を選び、適時二塁打を打たれた。

 4回は四球後、中村にも初球はボール。2球目は「(ストライクを)取りにいった真っすぐ。もったいなかった」と、2ランを浴びた。5回は山川にフルカウントから内角を狙った直球が高く浮き、こちらも2ランを許した。「真っすぐも変化球も、勝負どころで一発で決めないと」。1球の重さ、怖さを学んだ。

 この日でまだ、2度目の先発だ。「しっかり自分のカウントを作れて、乗っていけば、ちゃんと試合は作れる」と、手応えもある。あとは結果を残すだけ。試合後は2軍で再調整が決まったが、先発調整を続ける。栗山監督も「いろんな経験をしながら、やっていくのが大事。ある程度の球数は投げられた。前には進んでいる」と評した。貴重な1軍マウンドで得た成長の糧を、期待の右腕が生かしてくれれば、この日の負けも意味を持つ。【木下大輔】