阪神糸井が今季チーム100号となる1発を放った。1点リードの4回無死走者なし。フルカウントから、外角高めにきた浜口の146キロ直球をはじき返した。「少し振り遅れ気味でしたが、しっかりとスイングすることができました。(本塁打という結果に)まぐれです」。

 タイミングが少々遅れても、持ち前の怪力でスタンドまで運んだ。左方向への本塁打は阪神移籍後、初めてのこと。オリックス時代の昨年9月15日、日本ハム戦以来、約1年ぶりに逆方向へのアーチを描いた。これでチーム全体の本塁打が100号に到達。3桁到達は7年ぶりで、昨年のチーム本塁打数90をはるかに上回る数を刻んでいる。

 この日は、糸井のアーチなどもあり、今季3戦3敗だった苦手浜口を攻略。5回途中でKOするまでに5点を奪い、苦手意識を取り除いた。

 糸井は同点で迎えた9回にも右前打を放ち、伊藤隼のサヨナラ打をお膳立てした。前日9日のDeNA戦(甲子園)では延長12回2死から右二塁打を放ち、鳥谷のサヨナラ打をチャンスメークしていた。「勝ててよかった」。今季初の4安打をマークしたが、淡々と球場を後にした超人。残り試合も打ちまくる準備ができている。【真柴健】

 ▼阪神の年間チーム本塁打100本以上は、10年の173本塁打以来7年ぶり。ラッキーゾーンが撤去されて迎えた92年以降では、11度目となった。なお球団最多は、日本一となった85年の219本塁打。