ドラフト候補に挙がる東大の宮台康平投手(4年=湘南)が慶大相手に2失点で完投し、昨秋(立大戦)以来となる勝利を挙げた。通算5勝目。8安打されながら最速146キロの速球にチェンジアップを交え、5-2で逃げ切った。東大は連敗を16で止め、慶大には08年秋以来の勝利となった。明大は8点を奪い、法大に先勝。斉藤大将投手(4年=桐蔭学園)が通算10勝とした。各2回戦は、台風18号の接近が予想されるため18日に順延された。

 宮台が最後に投じた158球目は、チェンジアップだった。前の打者に140キロ台の速球を8球続けた直後、その1球で試合を終わらせた。「チームが勝てたことが一番です。後半は変化球が安定していたと思います」。約1年ぶりの勝利を喜んだ。

 開幕戦(対立大)で連投したが、勝てなかった。そのビデオを見てしっかり修正した。「速さを求めて体が突っ込んでいた。ためをつくって、投げ込んできました」と説明した。最速146キロの速球を見せ、ファウルでカウントを稼いだ。緩い変化球を交えてタイミングを外した。

 左肩に違和感を持ったのは昨夏だった。秋は1勝したが、1イニングの救援で転がり込んできたもの。シーズン終了後には浜田一志監督(53)を中心にトレーナーや医師も含めた「宮台復活委員会」がつくられていた。

 試合後の浜田監督は「もう復活委員会は『発展委員会』に変えます。肩も元気そうですから」と納得の表情を浮かべた。宮台は「ここからが大事だと思っています」。次なる目標に、勝ち点獲得を挙げた。【米谷輝昭】