中日森野将彦内野手(39)が24日、ナゴヤドームで中日-広島25回戦終了後に現役引退会見を行った。「21年間のプロ野球生活の最後を迎えられて晴れ晴れした気持ち。高校からドラフトで入って、少し大人になって野球を終われた。成長したかなと思います。納得できない打撃が2、3年続いてこれは辞めようと思った。ここが限界、悔いがない。そういう意味でやり切ったかなと思う」と笑顔で振り返った。

 今季から実施の「引退選手・特例登録」の適応チーム1号でこの日、出場選手登録。引退試合に臨んだ。7回に代打で出場すると、一ゴロに倒れた。広島ファンで真っ赤に染まった左翼スタンドからも森野コールが起こり、笑顔で声援に応えた。セレモニー後にはナインに胴上げされ、背番号と同じ7回宙に舞った。「今まで当たり前だと思っていた歓声を受けて、こういう世界はすばらしいと思った。もう少しゆっくりと打席に入れば良かった。ルーティンとかないので。真っすぐだけでと思っていたけど、真剣勝負で。変化球に手が出た。こういう世界で真剣勝負ができて満足。結果は微妙だったけど、一塁まで思い切り走れたのは良かった」とすがすがしい表情で語った。

 横浜市出身。東海大相模で2年春に甲子園出場。96年ドラフト2位で遊撃手として中日入団。1年目に1軍デビューし、本塁打を放つなど脚光を浴びた。9年目の05年からレギュラー格に。広角に打ち分ける打撃センスに長打力、勝負強さも持ち合わせた。打撃タイトルは獲得できなかったが、09年に23本塁打、109打点、10年には179安打で3割2分7厘。内外野を守れる守備力もあり、落合博満監督のもと、4度の優勝と1度の日本一に主力として貢献。主に三塁手として、黄金時代を支えた。

 今季はチームの野手では1学年上の荒木に次ぐ21年目。2度にわたる右太もも裏の肉離れで、戦列を離れていた。20日の2軍戦で試合復帰。7月2日広島戦(マツダスタジアム)以来、今季22試合目の出場となった。

 通算成績は1801試合、1581安打、打率2割7分7厘、165本塁打、782打点。10年に三塁でベストナイン。14年に一塁でゴールデングラブ賞。