DeNA浜口遥大投手(22)が10勝目を挙げて、新人左腕では球団史上58年鈴木隆以来59年ぶり3人目の偉業を達成した。気合の95球。立ち上がりこそ、安打を許した。3回にはソロアーチを打たれたが、4回以降は無安打無失点投球。1度も塁を踏ませなかった。7回4安打1失点。文句なしの内容に「1年間やってきて自分の投球はこれだというのが出せた」と、手応えを口にした。

 新人王のライバルを、無欲の精神で封じた。タイトルを争う中日京田を1回先頭、140キロの直球、2回はチェンジアップ。5回も直球で押し込み、3打席すべてフライに打ち取った。まともに打球を前に飛ばさせないで、直接対決で貫禄を見せつけた。「正直、新人王のことはあんまり気にしていない。京田はあれだけ1年間通して活躍した。僕は大事な試合で勝てていなかったので、あんまり考えていなかった」。気持ちとは裏腹にタイトルに前進できたことは間違いない。

 寮と球場の行き帰りは、2年目の左腕・今永の車に同乗したシーズン。勝てない時期もあったが「気にしないで、1試合1試合投げることが大事」と助言を受け先輩に続く2桁勝利。投手陣に厚みを生み「こういう投球をすることが、ローテ投手の役割」。11奪三振はプロ入り最多を最後のマウンドで達成できた。ラミレス監督も「こういう投球をすればかなりの可能性で、CSで登板する」と太鼓判。大きな信頼を勝ち取り、ルーキーイヤーを締めくくった。【栗田成芳】

 ▼ルーキー浜口が今季10勝目。DeNAの新人で2桁勝利は97年川村以来6人目で、左腕では58年に15勝を挙げた鈴木隆以来59年ぶりとなった。今季のDeNAでは今永も11勝しているが、2桁勝利の左腕が2人以上は、91年の野村15勝、岡本透11勝以来で球団史上26年ぶり2度目。