楽天が延長12回の末にロッテと引き分け、3位が確定した。0-1と敗戦濃厚で迎えた9回2死から聖沢諒外野手(31)の適時打で同点に追いつき、延長戦に突入。7回1失点と粘投した岸孝之投手(32)の黒星が消え、延長11回裏の守りも1死満塁のピンチをしのいだが、勝ち越すことができなかった。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージは、2位に決まった西武と敵地で戦う。

 粘ったが勝てなかった。同点の延長12回表2死一塁。岡島はロッテ有吉の低めストレートに全く手が出なかった。楽天の勝利が消えた。この時点で2位西武、3位楽天の順位が決まった。梨田監督は「2位を目指している」と言い続けてきた。しかし、13年以来となるCS地元開催はならなかった。

 土壇場で底力は見せた。1点ビハインドで迎えた9回2死一、二塁で聖沢が同点適時打を放った。あと1ストライクでゲームセットとなる瀬戸際で、いったんは望みをつないだ。「聖沢はよく打ってくれたけどね。勝たなきゃいけなかった。しょうがない」。引き分けは負けに等しかった。

 後がなかった。試合前、2位でのCS進出条件は「残り6試合に全勝。かつ5日に西武が日本ハムに敗れること」。厳しいと分かっていた。「故障者も体調がわるい人もいる。良い状態でCSに臨めるように、そこに合わせた準備も含めてやっていきます」。左肘に軽度の張りを訴えた守護神松井裕や、疲労がたまった大砲アマダーの出場登録を抹消した。大事を取った。

 CSに備えつつ、残されたメンバーで勝たねばならない。重責を背負った岸は気迫の投球で6回までゼロを並べた。ただ7回に、この日唯一の失点を許した。「打たれたのはカウントを悪くしてしまったからかな。それくらいです」。シーズンを通して安定した防御率を残してきたが、7月19日を最後に勝ち星に恵まれなかった。

 熱戦は4時間39分に及んだ。順位が決まった以上は切り替えるしかない。「(CSに向けて)投げる以上は、勝てるようにやるだけです」と岸。次なる目標は3位からの下克上だ。【鎌田良美】