阪神糸井嘉男外野手(36)が、クライマックスシリーズへ向けて価値ある1発を放った。1点を追う6回1死。中日の左腕小笠原が投じた高め142キロをフルスイング。「今日は風が逆だったんで入ってくれると思いました!」。浜風とは逆の右翼方向に吹く風にも助けられ右中間スタンドへ運んだ。2試合連続となる17号ソロで、重苦しい雰囲気を吹き飛ばした。

 9月12日巨人戦から甲子園で2分け5敗と7戦勝ちなし。9月18日広島戦の8回からは無得点地獄に陥った。14日から開幕するDeNAとのCSファーストステージの舞台で続いた負の連鎖を糸井が止めた。35イニングぶりに甲子園のスコアボードに得点を刻んだ。9月10日DeNA戦以来の本拠地勝利に金本監督も「なんか久しぶりですね。うれしいですね」とニッコリ。「さすがベテランというか、力のある選手が打ってくれて良かった」と糸井を絶賛した。

 糸井はお立ち台で「次の目標はCSを勝ち上がって日本シリーズに行くこと。それに向かってしっかりやっていきます!」。FAで入団した昨年末に宣言した、御堂筋パレードに向け突っ走る。【桝井聡】