任せろＣＳ！　阪神ランディ・メッセンジャー投手（３６）が、１４日からのクライマックスシリーズ（ＣＳ）ファーストステージ登板に向けて万全の試運転を終えた。今季チーム最終戦の１０日中日戦（甲子園）に先発し、４回１安打無失点。２回２死一塁から７連続三振を奪い、一時は右足腓骨（ひこつ）骨折で危ぶまれたＣＳ登板に弾みをつけた。７連続奪三振は球団最多タイ記録。７年連続の規定投球回にも到達した。

　甲子園がメッセンジャー劇場になった。面白いようにＫマークが積み上がる。２回２死一塁から７番松井雅を地面をたたきつけるフォークで空振り三振。そこから奪三振ショーが幕開けした。３回に３者連続三振を奪うと、４回にも友永、遠藤、福田の中軸を３者連続の空振り三振。２カ月ぶりの１軍復帰戦で球団タイ記録となる７者連続三振をマークした。

　「（捕手の）梅野の配球と自分の考えがマッチしていたね。野手の皆さんがしっかり守ってくれたので、いいリズムで投げることができた。なにより久しぶりの甲子園のマウンドで、ファンの前で投げることができて本当にいい日になった」

　信じられない。さらに進化して戻ってきたようだ。右足腓骨（ひこつ）骨折を負った８月１０日巨人戦以来となる１軍マウンドで４回１安打無失点。２カ月前に右足をギプスで固定して松葉づえ姿だったメッセンジャーは「モンダイナイ。ダイジョウブデス！」と、日本語で全快を宣言した。

　この試合で４イニングを投げたことで、今季の投球回は１４３イニングとなった。これで７年連続となる規定投球回に到達した。現役では単独最長となる勲章だ。巨人の菅野、マイコラスに次いで防御率も２・３９とリーグ３位に躍り出た。

　明確な目標がある。１４日からＤｅＮＡとのＣＳファーストステージが幕を開ける。これまでもＣＳの開幕投手を狙うと宣言していた右腕はこの日も「オフコース（もちろん）」と言い切った。この試合の球数は５７球。金本監督は「それは今から考えますわ」と話したが、中３日でＣＳ初戦に向かっても不思議ではない。下克上日本一へ。絶対に不可欠な男が戻ってきた。【桝井聡】

　▼メッセンジャーが２回の松井雅から４回の福田まで、７連続奪三振。阪神では、小山正明（５６年３月２７日広島戦）、村山実（６０年４月１６日巨人戦）、江夏豊（７１年９月２７日広島戦）、能見篤史（１１年４月１９日巨人戦）、藤浪晋太郎（１４年８月１日ＤｅＮＡ戦）と並び最長となった。なおセ・リーグ最長は６０年鈴木隆（大洋）の８連続。プロ野球最長は９連続で、５７年梶本隆夫（阪急）と５８年土橋正幸（東映）の２人。