オホーツクから挑戦-。プロ野球のドラフト会議が明日26日、東京都内で行われる。東農大北海道の右横手エース宮本誉士樹(22)が4球団に調査書を提出、運命の日を迎える。

 日本ハムなど4球団から調査書の届いた宮本の魅力は、天井知らずの成長力だ。入学前75キロの体重は15キロ増の90キロ。鎮西(熊本)時代130キロに届かなかった速球は最速147キロまで跳ね上がった。自身の4年後の成長を想像できなかった宮本は「入学した時は周りの選手が大きくて怖かった。球も遅かったのでバッピー(打撃投手)のつもりで入学したんです…」と笑う。

 そもそも高校卒業後は働きながら軟式でのプレーを予定していた。「下半身が強そうだし、腕が振れてくれば変わる」と感じていた樋越監督の勧誘で進路変更した。冬になればスコップを持って雪をかき、アルバイトのホタテの稚貝の移し替えも、肉体強化につながった。「4年間、無駄なことは何もなかった」という。

 昨春の熊本地震では、自宅が半壊した知人もいた。リーグ戦の真っ最中で翌日登板予定だったため、帰郷できなかった無念さを忘れない。「(実家のある)八代からのプロ野球選手といえば松中(信彦)さん(43)が有名。(自身も)プロになって、地域の方に喜んでもらいたい気持ちはあります」。4年間の成長と故郷への思いを胸に、吉報を待つ。

 ◆宮本誉士樹(みやもと・よしき)1995年(平7)9月25日、熊本・八代市生まれ。八代有佐小4年から同校クラブで野球を始める。八代鏡中2年で右横手投げに転向。鎮西1年夏の県大会8強。東農大北海道では1年春からベンチ入り。14年の明治神宮大会、15、16、17年の全日本大学選手権出場。道6大学では16年秋に最優秀投手賞。家族は両親と弟2人。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。

 ◆東農大北海道のドラフト指名選手 指名されたのは96年オリックス5位の栗山聡投手が第1号で、育成を含めると15年の日本ハム3位井口和朋投手、ソフトバンク育成3位樋越優一捕手まで10人。道内の大学では最多で、内訳は投手6人、捕手1人、内野手3人。指名最上位は14年ヤクルト2位の風張蓮投手。