外れ外れがなんや。プロは結果で勝負や。「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が26日に都内で行われ、仙台大(仙台6大学)の馬場皐輔(こうすけ)投手(4年=仙台育英)が阪神からドラフト1位指名された。早実・清宮幸太郎内野手(3年)、履正社・安田尚憲内野手(3年)と2度くじを外した阪神金本知憲監督(49)が三度目の正直で当たりくじをつかんだ。右上手から投げ込む最速155キロの直球と7種類の変化球を武器に、憧れのプロの世界に殴り込みをかける。

 運命の時は突然やってきた。午後5時41分、阪神3度目のドラフト1位指名の表示に「馬場皐輔」の名が出ると、ソフトバンクも続いた。その2分後、金本監督が左手で当たりくじをつかんだ瞬間、馬場は阪神との入団交渉が決まった。「まさか自分が1位とは。ビックリ。阪神は強いしファンも多い。しっかり1年目から活躍したい」。宮城・柴田町の仙台大で会見に臨んだ馬場は驚きの表情を見せつつも、最後は満面の笑みを見せた。

 売りは最速155キロの剛速球だけじゃない。「自分は変化球投手。7割は変化球」と自己分析する。フォーク、スライダー、スプリットなどの7種類の変化球を自在に操る。今秋は自慢の変化球を再度磨いて、どの球種でもストライクをとれるようになったことで投球の幅を広げた。「縦のスライダーでカウントをとれるのが大きかった」と今秋のリーグでは5勝0敗。37回を投げて60個の三振を奪い、奪三振率は驚異の14・59をマークして評価を上げた。

 甲子園が似合う男だ。仙台育高時代は背番号10ながら、高3春と夏に甲子園出場。夏の1回戦では浦和学院(埼玉)相手にリリーフし、6回1/3で8奪三振2失点。センバツ王者撃破に一役買った。「甲子園は素晴らしい場所。投げられる、うれしさはある」。仙台大でも縦じまに袖を通しており「また着られるのはうれしい」と言葉を続けた。

 当たりくじを引いた金本監督に弟子入りを志願した。「ポジションは違うけど、投手としての気持ちの作り方を教わりたい。自分がまだ分からないことを学べたら」。同じ阪神投手陣では左右の違いはあるが、能見の名を挙げ「ゲームをつくれるすごい投手」と尊敬のまなざしを送った。虎は今季先発投手陣の故障、不調が続いてやりくりに苦労。馬場が1年目から活躍すれば、藤浪らの復調もあわせ、リリーフ陣が強力だけに、悲願Vを狙える布陣が組める。みちのくの剛腕が、虎の剛腕になり、優勝へのピースとなる。

<馬場皐輔(ばば・こうすけ)アラカルト>

 ◆生まれ 1995年(平7)5月18日、宮城県生まれ。

 ◆サイズ 180センチ、90キロ。右投げ右打ち。

 ◆魔球 150キロを超える速球に加え120キロ台のフォーク、130キロ台の縦のスライダー、140キロ台のスプリットなどを駆使する。

 ◆球歴 塩釜三小3年から野球を始め、塩釜三中では七ケ浜シニアに所属。

 ◆甲子園 仙台育英では2年秋からベンチ入りし、3年春、夏の甲子園出場。

 ◆秋の開花 今秋は先発5試合で37回を投げ被安打15、2失点。36回連続無失点など防御率は0.49。60三振を奪い、奪三振率は驚異の14.59。

 ◆みちのく怪腕 仙台大で1年春から先発し、リーグ通算15勝5敗。