ソフトバンクから育成1位で指名された学法石川の尾形崇斗(しゅうと)投手(18)が2日、福島・石川町の同校で指名あいさつを受けた。同じ育成4位からはい上がった千賀滉大投手(24)を目標に掲げた。千賀ばりの「お化けフォーク」をマスターし、1年目から支配下入りを狙う。

 今までに感じたことのない興奮が、一気に体中を突き抜けた。ソフトバンクの帽子をかぶった尾形は、同校OBで担当の作山和英スカウト(48)から工藤監督と王会長の直筆のサインボールを手渡されると、湧き上がる胸の高鳴りを抑えきれなかった。

 尾形 日本一のチームでプレーさせてもらうのは幸せ。期待に応えたい。千賀投手みたいに、圧倒できる投手になりたい。

 千賀の心技体すべてに心酔していた。「技術はもちろん、大舞台でも自分を変えないで、常に同じ自分で投げている。メンタルが強い。尊敬している」。すでに動画サイトを見て、落差の大きい千賀の決め球「お化けフォーク」の握りを我流で研究している。高校までは最速150キロの直球で押す投球だった。「フォークを一番信頼できる球にすれば、直球も生きてくる」と自信を見せる。

 高校入学時の体重は60キロしかなかったが、ストイックに取り組んだ筋トレで88キロまで増量し、一躍ドラフト候補に名乗り上げた。中学時代から尾形を見ていた作山スカウトは「球威があるし、闘争心もある。体もできているし、1日でも早く支配下入りをして欲しい」と太鼓判を押す。

 ライバル心を燃やしていた。ソフトバンクにドラフト1位で指名された鶴岡東の吉住晴斗投手(17)は同じ右上手投げのパワー型だ。尾形は不敵に笑う。「現時点での評価は吉住の方が上。でも野球は面白くて、何年後はどうなっているか分からない」。反骨心を胸に秘め、自慢の剛球でのし上がる。【高橋洋平】