社会人野球の日本選手権第2日は3日、京セラドーム大阪で1回戦3試合が行われ、JR東日本東北(宮城)の西村祐太投手(28=桐蔭横浜大)が新日鉄住金広畑(兵庫)戦で大会史上初の完全試合を達成した。試合はJR東日本東北が2-0で勝ち2回戦に進出。

 西村が日本選手権の歴史を塗り替えた。大会史上初の完全試合。内訳は奪三振5、内野ゴロ10、内野ライナー3、内野フライ2、外野フライ7。「安田さんが『三塁線に来たら跳ぶぞ!』と言ってくれた。本当に跳んでくれるとは」。26個目のアウトは三塁線のライナーに横っ跳びした三塁手の好守に助けられた。最後は捕邪飛で快挙を達成し、両手を突き上げた。

 昨年の2回戦・JR西日本戦は序盤でKOされ、相手の加賀美希昇(法大)に無安打無得点を喫し敗退した。今年は春先から結果が出なかった。藤井省二監督(55)に「野球人生が終わってしまうぞ」と叱咤(しった)されるたびに「このまま終わるわけがない」との思いをたぎらせていた。全90球の半分以上がスライダー。磨いた変化球を軸に人生初の快記録を手にし「次に打たれたらまぐれと思われる。次が大事」と大粒の汗をぬぐった。【堀まどか】

 ◆西村祐太(にしむら・ゆうた)1989年(平元)6月24日、さいたま市生まれ。浦和北では3年夏の埼玉大会で5回戦進出。桐蔭横浜大では1年秋からリーグ戦に登板し、通算15勝。オリックス東明と同期。JR東日本東北では1年目から公式戦に登板。持ち球は直球、スライダー、チェンジアップ、カーブ。目標の投手はソフトバンク和田。182センチ、83キロ。左投げ左打ち。