日本ハム大谷翔平投手(23)が7日、今オフにポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指すことを表明した。10月に手術した右足首のリハビリを行う千葉・鎌ケ谷で、代理人としてCAAスポーツのネズ・バレロ氏と契約したことも認めた。今後は日米間で改定交渉中の同システムの動向を見守りつつ、球団との話し合いは代理人に任せる考え。投打「二刀流」で5年間プレーし、成長させてくれた日本ハムには感謝の意を示した。

 

 ついに、大谷が今オフの去就について口を開いた。この日、ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)がバレロ氏を代理人としたことを報道。鎌ケ谷で右足首のリハビリメニューを終えると、待ち構えた報道陣に誠実に対応した。

 大谷 自分が向こう(メジャー)に行くために必ず必要なものなので、このタイミングで決めたという感じですね。今の段階で言えることは、メジャーに行くために代理人を決めたってことじゃないかなと思います。

 事実を認め、ここまで明言は避けてきた、ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指すことを表明した。

 今後はNPBとMLBの間で改正交渉中のポスティングシステムが最終合意後に、球団へ同システム利用の意思を伝えることになる。「ポスティングに関しては球団の権利なので。そこはもう、個人的なというよりは代理人に任せてという感じなので。そちらに聞いてもらえればという感じです」と、話した。

 追い求めてきた夢が近づいてきた。当初は高校から“直メジャー”を目指した。日本ハムの熱意と「二刀流」という魅力的な育成プランの提示で翻意したが、大谷も球団も世界一の選手を目指す考えは一切、ぶれなかった。投打で実力を着実に伸ばし、昨季はチームが日本一になる原動力となった。球団も成長度や貢献度を認め、昨季の契約更改時には今オフ以降のメジャー移籍を容認。そして代理人も決まり、いよいよ世界に羽ばたく準備は整った。

 日本ハム入団後の5年間を振り返った大谷は「この球団じゃなかったら、もしかしたら(今は日本に)いなかったかもしれないし、ここまで試合にも出られてなかったかもしれないし、それはもう感謝しかないかなと思ってます」と、素直な気持ちを吐露した。日本で野球ファンに夢を与え続けてきた男が、満を持して自分の夢を追って海を渡る。

 ◆CAAスポーツはスポーツ代理人会社最大手。フォーブス誌のスポーツ代理人会社ランキングでは報酬額で2位に2倍近くの差をつけトップ。ジャイアンツのポージー捕手やメッツのシンダーガード投手、野球以外でもサッカーのRマドリードFWクリスティアノ・ロナルド、元イングランド代表デービッド・ベッカム氏、NFLの元スター選手ペイトン・マニング氏らを担当。個人だけでなく、ヤンキースやサッカーのバルセロナなどを顧客に持つ。06年に俳優トム・クルーズ、ジョニー・デップらを担当する大手タレントエージェンシー、CAAによって設立された。