一発回答だ! 広島高橋昂也投手(19)が明日9日、来春1軍キャンプ参加をかけてシート打撃に登板する。1軍キャンプ初参加となった日南秋季キャンプ初日は、シート打撃登板に向けてブルペン入り。切れのいい真っすぐを投げ込んだ。今キャンプ中、実戦形式の登板機会は1度のみの可能性がある。手薄な左腕争いに風穴をあける投球を期す。

 一発勝負の実戦を前にしても、物静かな19歳高橋昂はクールな表情を崩さなかった。明日9日に登板を予定するシート打撃は、来春1軍キャンプをかけたマウンドとなる。1軍キャンプ初練習からブルペン入り。佐々岡2軍投手コーチだけでなく、畝1軍投手コーチも見つめる中、55球を投げ込んだ。

 「これがまだまだ続くので、頑張っていきたい。結果もそうですけど、自分が持っているものをすべて出せればいいなと思います。来春1軍キャンプ? そこを目指して、頑張りたい」

 主力選手もそろったウオーミングアップ時は「緊張感はだいぶ違った」と高卒1年目らしさをのぞかせた。だが、ブルペンに入れば一変。自分のペースを崩さず、ひょうひょうと投げ込んだ。今春キャンプ以来の投球を見た畝投手コーチは「変化球の切れはもっと欲しい」と注文を付けつつ「真っすぐに切れが出てきた」と成長を認めた。

 明日9日のシート打撃は、高橋昂だけでなく登板5投手すべてが左腕。第2クールは右腕5投手が登板する予定で、実戦形式の登板機会は最初で最後の可能性が高い。来春1軍キャンプ参加へ向けたアピールには一発回答が求められる。

 畝投手コーチは対左打者への投球をチェックポイントに挙げるが、高卒1年目左腕は過剰な意識を避ける。「特に左、右は関係ない。結果的に抑えられるようにやっていきたい」。相手ではなく、自分の投球にだけ集中する。

 緒方監督は「現段階の力を知りたい。来年も同じ形で戦おうと思っていない。常に新しい形、新しい戦力、新しい風。そういうものがないとチームに刺激はない」。期待の左腕には、チームの左腕不足の不安を一気に吹き飛ばす快投が期待される。【前原淳】