中日岩瀬仁紀投手(43)がセ・リーグのカムバック賞を受賞した。同リーグでは15年のヤクルト館山以来。左肘の故障で引退危機にあったが、6月に12年ぶりの月間MVPを受賞するなど、中継ぎで活躍。50試合で3勝6敗2セーブ、防御率4・79の成績だった。

 「このような賞をいただいて光栄です。2年近く何もできなかったので、今年こそはという意気込みでやってきて、1軍のマウンドで投げることができてよかったです」と喜んだ。

 2年前は想像できなかった。14年8月に左肘痛を訴え、15年はプロで初めて登板できなかった。復活の気配を見せた昨年も1度は引退を決めていた。新球を習得するなど不屈の精神で危機を乗り越え、1軍マウンドに帰ってきた。

 特に6月は14試合に登板して自責点なし。同23日の巨人戦(東京ドーム)では3年ぶりのセーブ。月間リーグトップの10ホールドを挙げ、42歳にして「セットアッパー」の地位を獲得した。そして8月に通算950試合登板の日本記録を樹立した。

 来季は兼任コーチとして再出発する。残り46の通算1000登板が見えている。金字塔に向け、球界最年長にとって励みになるカムバック賞に違いない。