3球団による大和争奪戦が、いよいよ始まる。フリーエージェント(FA)宣言選手が15日、公示された。阪神からFA宣言した大和内野手(30)には、DeNAが他球団との交渉解禁日となる今日16日にもアタックする構え。オリックスも極秘の獲得交渉に入り、阪神も4年の大型契約を準備して吉報を待つ。両打ちのユーティリティープレーヤーのハートを揺さぶるのは、果たしてどの球団か。

 ついに大和争奪戦開始のゴングが鳴る。この日、公示されたFA宣言選手の中に、その名前があった。獲得を目指す他球団との交渉解禁日は、今日16日だ。DeNA、オリックス、そして阪神。3球団とも今季推定年俸5000万円の大和に対し、年俸ベース1億円程度の複数年契約を準備している。三つどもえの戦いがいよいよスタートする。

 DeNAは今日16日にも交渉を行うよう調整を進める。交渉解禁を受けてアポイントを取り、スケジュールが整えばテーブルを設けて「解禁→即交渉」で熱意を伝える。実力者に対して3年総額3億円の条件を用意して獲得を目指す。同じくFA権を行使した西武野上にも複数年の大型契約提示でアタックをかけ、センターラインの補強を狙う。

 一方のオリックスも3年契約を準備し、近日中の極秘交渉を狙う。長村球団本部長はこの日、大和について「二遊間どこを守ってもレベルが高い。レギュラーの力を持っている」とあらためて絶賛。交渉の席には福良監督は入らず、編成組が出席する予定で「なるべく早く、と思っています」と誠意を尽くす。

 阪神は吉報を信じて、待ちの姿勢に入る。シーズン中から全力で残留要請を続けており、すでに他球団に引けを取らない4年契約を提示。四藤球団社長は「条件的にも最大限の評価をしている。やることはやった。見守るしかない。もちろん、待つよ」と長期戦も覚悟している。

 移籍か残留か。先の読めない争奪戦が始まる。