ベテランは消火不可能!? 広島新井貴浩内野手(40)が16日、広島市内で行われた「第23回全国女性消防団員活性化広島大会」のゲストとして登壇した。壇上では笑いを交えながら会場を盛り上げたが、今季の話になると表情は引き締まった。日本一を逃したことで募る悔しさが、20年目の来季へのモチベーション。燃えさかる怒りが何よりの糧となる。

 

 火消し役の前でも、燃えさかる感情を抑えることはできなかった。広島市内で行われた「全国女性消防団員活性化広島大会」にゲスト出演。約3500人の消防団員を前に、ユーモアを交えながらも、シーズンの話になると笑顔は消えた。

 「悔しいシーズンでした。連覇は達成できたのですが日本一になれなかった」

 今季、最大にして唯一の目標が日本一だった。だからこそ連覇の喜びよりも、CSで敗退し、日本一に挑戦できなかった悔しさしか残っていない。イベント終了後も「今でも悔しい」と厳しい表情になった。「来年に向かってはいるけど、この悔しさは忘れない。今までよりは悔しさを持って、それを燃やしている」。

 来年1月に41歳になる。だが、広島市内のジムを拠点に行うトレーニングは例年と変わらずハードだ。「ケガをするかしないかのせめぎ合い」。すでに全身が「バッキバキ」だそうだ。

 イベント後、大分・湯布院でのリハビリキャンプに合流した。20年目のシーズンを前に、後輩たちと来季へ向けた英気を養う貴重な時間となる。一昨年、昨年は、選手会長小窪を中心に語り合うこともあった。「自分の価値観の押しつけは良くない。でも忘れちゃいけない、あの悔しさは」。

 連覇した広島へのマークはさらに厳しくなる。「各個人が日本一を取りにいくんだという気持ちを今年以上に持たないと厳しい。足もとすくわれる」。球団史上初の3連覇がかかる来季。目標はリーグ制覇ではなく、日本一。チーム最年長は燃えている。【前原淳】