内外野を守れる「万能侍」が走攻守で輝いた。2回2死走者なし。6番外崎は、カウント2-2から台湾の先発左腕・林政賢が投じた真ん中高めの135キロ直球を右翼席の最前段に運んだ。0-0の均衡を破る先制ソロ。「入るとは思わなかった。外野の頭を越えてくれと思いながら走った」と笑顔がはじけた。

 5回には先頭打者で中安を放って出塁。西川の犠打で進塁し、1死二塁で三盗を決めた。「ミーティングで三盗のチャンスがあると聞いていたので積極的に走った」と、投手のモーションを完璧に盗んだ。9回2死二塁では左越えの適時二塁打。富士大から入団3年目の今季、自己最高の113安打を放ち10本塁打を記録したバットが、3安打2打点と火を噴いた。

 2試合続けて左翼での先発出場だったが、8回裏からは三塁に入った。「僕はユーティリティープレーヤーとして期待されているので、それに応えたかった」。西武での登録は内野手だが、今季から外野手に挑戦し、135試合に出場して主力に定着した。青森県弘前市出身で、実家がリンゴ農家の24歳は「日の丸をつけて立つお立ち台は夢のよう。絶対に優勝して日本の野球を活気づけたい」と力強く言い切った。【桑原幹久】