球界の出世魚になる。ロッテ育成1位、BC富山・和田康士朗外野手(18)が19日、富山・高岡市内のホテルで契約した。支度金300万円、年俸240万円(金額は推定)。ソフトバンク柳田のフルスイングをお手本にする若者は「最終的な目標はトリプルスリーです」と、ぶち上げた。

 異色の経歴だ。中学時代の股関節などのケガで、埼玉・小川高では野球を断念。陸上部で走り幅跳びの選手になった。だが、1年夏に埼玉県大会のテレビ中継で旧友を発見。再び野球への情熱が湧き起こる。野球部ではなく、父親のツテで埼玉のクラブチーム都畿川倶楽部硬式野球団を選んだ。「甲子園への憧れはありましたが…。クラブチームでいろいろ教えてもらえて良かったです」。あえて、もまれる道を選んだ。

 課題は体力面と自覚する。食が細く、185センチの長身に対し72キロしかない。それでも、富山に来て「ブラックラーメンがおいしい。しょっぱくて」と地元グルメで6キロ増量した。まずは支配下登録が目標だ。「体を大きくして、ホームランを打てる選手になりたい」と意気込んだ。体重を増やして、富山の冬の味覚ブリのように出世する。ちなみに「ブリは食べる機会はなかったです。値段的にも」と苦笑い。ビッグになって舌鼓も打つ。【古川真弥】

 ◆高校野球経験なしのプロ選手 飯島秀雄外野手(ロッテ)日月鉄二外野手(西武)大嶋匠捕手(日本ハム)らがいる。高校から陸上部の飯島は100メートル10秒1の日本記録保持者でメキシコ五輪に出場。入団後は代走専門選手として実働3年間で117試合に出場し23盗塁を記録も、打席には1度も立たなかった。関東高陸上部でやり投げ選手だった日月は1軍出場なしで引退。新島学園、早大とソフトボール部の大嶋は1軍で13試合に出場、昨年5月31日ヤクルト戦でプロ初安打を記録。