広島ドラフト1位の広陵・中村奨成捕手(18)が22日、広島市内のホテルで仮契約を結んだ。背番号は目標とする広陵の先輩、巨人の小林誠司と同じ22番に決定。「この番号に恥じないように、一流の捕手になっていきたい」と誓った。契約金は1億円プラス出来高、年俸800万円(金額は推定)。球団の大きな期待を背負い、プロ野球の扉を開いた。

 広陵1年時から背負ってきた「2」には愛着があった。中村奨は、素直に喜びを口にした。「こだわってきた番号なので、2が付いた背番号ならいいなと思っていた」。球団から提示された背番号は2が2つ並んだ「22」だった。

 「驚きました。すばらしい数字をいただいた。ずっと憧れていた(巨人)小林誠司さんの番号をつけることはすごいこと。この番号に恥じないように、一流の捕手になっていきたい」

 侍ジャパンの正捕手として今春、世界と戦った広陵の先輩にずっと憧れていた。インターネットで映像を何度も見ながら研究し、捕球からスローイングの動きを参考にした。捕手としての目標だった。「プロの世界で一番会ってみたい選手は?」という問いかけにも、即答で「誠司さんです」と満面の笑みで返した。

 1億円プラス出来高(推定)の契約金に加え、背番号にも球団の期待が込められている。昨季までは左腕投手が背負うことが多かったが、75年の球団初優勝時の正捕手水沼四郎氏が背負った番号。白武担当スカウトは「向こう10年、捕手を任せられる選手を取れた」と期待を寄せる。

 縁起が良いといわれるゾロ目の背番号。偶然にもこの日は22日だった。誕生日も6月6日なら、目標の1つに「トリプルスリー」を掲げる。「持ってる」18歳は「1年目からの目標ではないかもしれませんが、やるからにはフル出場したい」と、広陵OBで広島のOBでもある金本知憲阪神監督のような「鉄人」を目標に掲げた。中村奨の目の前には、プロでの野望が大きく広がっている。【前原淳】