一面の銀世界を見下ろし、18歳の誓いを立てた。日本ハムのドラフト1位、早実・清宮幸太郎内野手(18)が24日、1972年札幌五輪の舞台となった札幌市の大倉山ジャンプ競技場で新入団選手発表に臨んだ。背番号は21。日本ハムとなった74年以降、野手では球団初となる番号を自身の代名詞とすべく、決意も新たに世界に羽ばたく選手を目指す。

 真っ白にそびえ立つジャンプ台の麓で「日本ハム清宮」としての第一声を発した。

 「早稲田実業高校から入団しました清宮幸太郎です。北海道という地で、あらゆる可能性を存分に伸ばし、日本を代表するバッターになれればいいなと思います」

 もともと、緊張とは無縁のスター気質だ。新入団選手発表の冒頭、落ち着いた声で自己紹介した。

 午前中に球団側と正式契約を結び、背番号は21に決まった。「誠実、天真らんまん、知的。今までに存在しない、新たなプロ野球選手を想像した」という大渕スカウト部長は「まだ色のついていない、野手での背番号21を選定した」と説明。日本ハムとなった74年以降、背番号21は、武田久らすべて投手がつけてきた。「1(新庄、森本ら)、11(ダルビッシュ、大谷)、41(稲葉)と、ファイターズの下1桁“1”の意味ある番号に、新たな数字を追加して欲しい」という同スカウト部長の願いを耳にすると、ユニホーム姿の清宮は力強くうなずいた。

 「清宮幸太郎をプロの世界でも表現できたら」と、高校通算111本塁打の怪物は、発言も高校生の域を超えている。「『ポスト○○』と言われるのは嫌。目指すべき目標がしっかり込められているし、自分だけの番号という気持ち」。強気の発言の中、直近の目標は開幕戦出場だ。「絶対に目指さないといけない。ただ、そこで終わりたくないのもある」と、しっかり先も見据えている。

 前夜から降り続く雪で、目覚めると一面、銀世界だった。初めて目にしたジャンプ台に「ほんっと、高いですね。びっくりしました。想像を超えるくらい」と、目を白黒。「ファイターズは夢を大切にしてくれる球団。この地で頑張って、世界に羽ばたく選手になれるよう頑張ります」。新生背番号21が夢へ羽ばたく。【中島宙恵】