ドラフト1位の広陵・中村奨成捕手(18)ら広島の新人9選手が12日、今日13日に行われる新入団選手発表に合わせて広島市内のホテルに入った。今夏の甲子園で個人最多本塁打記録となる6発を放った奨成の今年の漢字は「活躍の活です」。広陵の仲間の思いも背負ってユニホームに袖を通す。

 しばらく考えた後、奨成はきりりとした表情で答えた。甲子園6本塁打男の今年の漢字は「活躍の活です。周りの人の支えがあっての活躍出来た。そういう意味で、活にしました」。世相を表す今年の漢字「北」が発表された直後。周囲への感謝を忘れない男はここでもやはり、感謝を口にした。

 今日13日に、広島市内のホテルで新入団選手発表に臨む。背番号22の赤いユニホームに袖を通し、決意表明する。緊張してもおかしくない状況だが、活力にあふれる男は「まったく緊張はしていません」と動じない。それどころか「早く袖を通してカープの一員になりたい」と新生活を待ち切れない様子だった。

 プロでも快活さを生かすつもりだ。育成選手を含めると、7人が高卒。「同学年が多いし、不安なくやれると思う。投手が多いし、野球でも生活面でもリードして引っ張りたいなと思います。笑顔になれるようにしたい」と宣言。日本ハム清宮、ロッテ安田ら他球団の同学年選手に対しても「(代表で)同じユニホームを着て戦った仲間でありライバル。つながりを大切にしたい」と99年生まれ世代での活動も視野に入れた。

 憧れの先輩が奨成に活力を与える。プロでの相棒となる道具は広陵OBで巨人の小林モデルを使用する。色はラッキーカラーという濃紺。「少しでも誠司さんに近づきたいという思いです。ミットは小さめで手に合ったサイズですし、使いやすい。バットはコーチの方が使っていたモデルを使いたいと思っています」。ゴールデングラブ賞の先輩に少しでも近づくつもりだ。開幕1軍を目標に掲げる奨成が、今日プロのスタートを切る。プロでの活躍は恩返しに。チームの活性化にもつながる。【池本泰尚】